彼女作ろうプロジェクトパターン2’
『彼女作ろうプロジェクトパターン2’』
それは高校の友人と考えたタイトルそのままの作戦である。
パターン2とあるが別にパターン1が存在するわけではなく、当時世の中で大ブレイクした「ストリートファイター2’」から取っただけであり 他意はない。
大げさなタイトルとは反比例し内容は非常に薄いものであり、難しいものでもなんでもない。
普段我々は休憩時間はもっぱら教室で他の友達とマージャンをやっているか 教室の1/3を占拠して机や椅子を並べ睡眠時間となっている。
我が母校は自慢ではないが勉学の程度が非常に低いもので 集まるのも同じような者達が多い、
『スタンド使いはお互い引かれあう』という名言通りなのだ。
そりゃ全員が全員というわけではなく「できる子」もいる ちなみにここでいう「できる子」は当然ながら「勉強」を意味しているわけで別に・・・(グヘンッ!)
さて蜀や呉の様に教室の1/3をも占拠する我々はまさに教室で遊ぶ女子生徒の敵であり 目障りな存在なのである
何度かの自主撤退しろという無条件降伏も申し出されていた。
しかしよくよく考えていただきたい中国の2/3を制覇した曹操でさえ全土征服できなかったのである、
たかがイナカの程度の低い学校の女子生徒数人ごときで教室全土を統一しようなどとは恐れ知らずの片腹痛い話なのだ。
そんな降服勧告の使者の言葉などお構いなしに 打つ寝るを繰り返すある日
勅使が来たのである。
こともあろうに女子生徒共は「先生」という「帝」を保持しその帝より勅命を承ったのである、こうなると立場は非常にまずい。
まさに彼女達は全員で一人の曹操となり、曹操が帝を擁立し実権を握るという歴史をイナカの一学校で繰り返した形となり
、我々は歴史で言うところの『逆賊』となってしまった。
こうして教室は統一されたのだが中にはまだ「最後まで望みはすてぬ!」と教室の各所で抵抗を行うものもいたが友人と俺の2人は大人しく伏したのである。
実はこのタイミングで「彼女作ろうプロジェクトパターン2’」が発動されていたのである。
今までのどちらかというとダーティなイメージを払拭し休憩時間も外に出るというクリーンなイメージを売ろうとすることがプロジェクトのコンセプトであり ちょうどタイミングが良かったのである。
それ以降休憩時間は外で遊ぶようにしていた数週間後。
やけに女子生徒数人からの視線を感じるようになり 心の中に「もしや?」という感情と「いや・・・そんなに早く効果がでるようにならぬ、ただこっちがわを見ていただけだ」
という心の葛藤があったのだが友人よりも同じ意見を聞き「プロジェクトの効果があらわれているんだ」という結果に達した。
しかも友人に言えない事もあり 俺が校内を一人で歩いていても同じ女子生徒からの視線を感じるのだ、
「これは友人には悪いな」と思いつつ友情に傷が入らぬよう黙っておこうと決めた。
もうお互いの心境は計り知れないものであったが、まだ確定ではないのでなんとか確定するものがほしかった。
どうやらその子は1つしたの後輩ということが判明した、
もうマガジンの「BOYS BE・・・」のシチュエーションじゃないかと期待と希望のテンションは天井知らずで昇る一方である。
そこでバスケ部の友人を召還し 実際に聞き込みさせることになったのである。
バスケ部の友人に依頼料として学食の人気メニュー「カレーうどん」をおごり、また成功報酬に「1週間日替わりランチ」の無償提供を約束し直接聞き込みに行って貰った。
今から考えれば成功報酬は女子生徒の思い次第であり、彼の努力いかんでなんとかなるものでないので意味の無い約束であった。
さて我々が送り出した使者からの報告によると、なんと我々2人というよりも やはり俺に視線を投げ打っていたらしく
それを聞いた友人は予選通過ならずとなり衝撃の色が隠せない様子で後の言葉は耳に入ってなかったのではないかと思われる。
さて話は続き、俺はその後輩女子学生の間で色々と話題になっているとのことであった。
その内容は・・・「あの人怖そう」「服装おかしい」「古い」「なんか違う」等と言った俺の服装への意見ばかりであり
俺に対しての好意を表すご意見は1つも聞かれなかったのである。
当時ガクランは「短ラン」「スリム」といってガクランの上着は丈の非常に短いものが流行り始めていた、
ものによってはオヘソぐらいまでの丈しかないものもある。
また、ズボンはスリムタイプが流行りあまりに細い為足首の所にチャックが付いている程であった。
それに対し俺は 「うぬらと同じでは個性がでぬわ」と世紀末覇王である拳皇様ばりの重みのある意見を掲げ
上は丈が足のフクラハギまではある「長ラン」下は「ボンタン」で昔で言う『チョウチンズボン』を着込んでいたのである。
時代を逆流してしまった二昔前の風貌であるのだが、当時の俺にはそれは『究極の美』の意識があった。
また髪は前回に名を上げた布袋寅泰を真似て髪の毛を天高く立てていたのである。
非常に目立つ、それは自分では満足するところであったが周りの目ははっきり言ってしまえばそれを受け入れる姿勢はなかった。
当然その女子生徒からすれば『あの古くさい応援団みたいなヤツは何よぉ〜、っていうかダサい〜』と言ったところであろう。
結局のところ物珍しさから見ていただけに過ぎないということであった。
その話がバスケ部友人から終わる頃には先ほどまでショックでうなだれていた友人は横で腹をかかえて大爆笑しており、
今さっき何か俺に対する羨ましい視線や殺気は感じられずに 「改めて仲間である」という波動が骨身に伝わってき、俺もそれを受け入れるしかなかった。
そうして 『彼女作ろうプロジェクトパターン2’』は約一ヶ月のプロジェクト期間を終え 「3」は企画されぬまま終わったのである。