反骨の相 魏延


      
魏延 文長 「三国志 58巻」より

三國志の中でも、外見だけで判断されて不遇を招いて閉まっている人物も数多くいる
ホウ統や張松らもそうであり、今回の魏延も自分の意思とは関係のない外見を理由に諸葛亮に処刑されかけたり
ちょっと文句を言うと それが根本になっているのか 凄い反発しているように解釈されてしまい 危険視されてしまうというケースもある。
特に彼の場合は 劉表の元にいる時も 韓玄の元にいる時も「劉備の元へ」という
劉備愛を貫き通しているとでも過言ではあるまい
それを裏切り者に仕立て上げたのは結果的には 諸葛亮自身ではあるまいか?
そういう視点でみてみるとしよう

事の発端は、劉備が荊州四郡の侵略時に韓玄の治める長沙を関羽が攻めた際に韓玄に疑われた黄忠を救い出し
長沙の民を苦しめていた韓玄を斬り 劉備に降服をするという 後の劉備軍にとっては 主要の荊州の一部を取ることが出来
また、五虎将軍の1人の黄忠も配下におけることが出来たという 大変な功臣なのである。


民を味方に付け 良い人バージョンのピーク時の魏延
横山先生得意の 人差し指アップの描写も力が入っとる

「三国志28巻」より

当然、君主の劉備も大手を振って魏延を迎えようとするのであるが、ここで諸葛亮が一言を挟むのである


この男・・・魏延に何の恨みがあるのであろうか
少なくとも 現状までの魏延の行為に不義不忠は見当たらぬ

「三国志28巻」より

魏延の行為が処刑に値するのであれば、この長沙の前 武陵攻略時に 武陵の太守・金旋の配下の
鞏志が寝返って金旋を射殺して降服して来た時は こんなこと一言も言わなかったし
後年、蜀を裏切って魏に走った孟達が再度蜀へ寝返ろうとした時は 大喜びしたくせに・・・
鞏志と魏延の行為で 優遇と処刑の差が出るのがわからぬし、孟達は諸葛亮の言うとおり
「都合によって主を変える」という事にあてはまり喜べないはずである。
横光の三國志では触れられてはいないが 演義では「後頭部の骨が出っ張ってるから そいつは裏切るので殺しましょう」というわけだ
これでは『デブなヤツは 面積が広いからキャッチャーとゴールキーパーするのが運命なんだ』という暴言と同じである
しかし、劉備は諸葛亮の意見に反対意見を出し魏延を助け幕下に加えるのである。

だが、諸葛亮だけに言われるならまだしも、この後魏延に命を助けられた黄忠は 蜀攻略時に ちょっと魏延が軍律違反を1回取ったものの
冷苞を捕らえるという手柄をたてたのに
「軍規違反だ!」「死刑だ!」と言い出すのである
まさに人としての 裏切りである
命を助けた相手に 死を望まれたのだ
元はと言えば諸葛亮が 処刑とかいいだしたものだから 周りも「魏延には死を」という風潮があったとしか思えぬ
当然魏延もそういう空気を感じているであろう
しかも、後年の南蛮戦で 趙雲が魏延と同じように軍律を犯し 抜駆けを提案


この時代になると 五虎将軍も壊滅し
準メンバーだった魏延なんぞは趙雲ともタメ口の大出世 生きててよかった

「三国志46巻」より

この時も金環三結を討つという手柄をたてると 今回は何故か諸葛亮に「見事!」と賞賛されるのだが
何がどうちがうというのであろう・・・
言い出したのが 魏延から趙雲に変わったぐらいである。
いくら今回は褒められたといえども魏延としては内心面白くなかろう
これにより 徐々に諸葛亮に対する嫌疑の念が深まっていくのである。

張飛が張[合β]との戦いで 酒盛をする為の酒がいるということで成都の美酒を届けるという事で
諸葛亮は酒の運送を魏延に任せてしまう、援軍とか補給物資の搬送ならまだしも
酒の配達なのだ・・・これは大変な閑職である
今風に言えば「窓際」と言っても言い過ぎではあるまい


張飛の酒癖が悪いからといって
魏延を差し向ける意図も イマイチよくわからぬ
抑止力にもならんだろうよ

「三国志38巻」より

渋々、張飛に酒を届けると これが張飛の計略と知ると 前々から計略があると悟ってましたけども?的な知恵者気取りである


張飛よりもアホがバレては もっと扱いが酷くなると
予見したので 必死で知ったかぶりを演ずる魏延

「三国志38巻」より

こんなイヤがらせを受けていれば それまで黒い気持ちを持っていずとも不平不満が出るのは必然であろう
当然、公然と諸葛亮に反発すれば また反骨の相だのと昔の話をぶり返されるやもしれんので
まずは蜀の大黒柱の趙雲に同調することから・・・


趙雲を盾にしつつ・・・
この辺りは 先主・劉備を見習って「私も そう思っていたところだ」的アピールで

「三国志47巻」より

幾度となく北伐を行うが一向に魏の中心部へ攻め込めぬ諸葛亮に苛立ち とうとう諸将を前に諸葛亮批判に熱弁を振るっているところを
本人にきかれてしまい 魏延抹殺計画をたてられてしまう


元々そんな優しい気持ちがあれば ゲームでも魅力は
もう少し高い数値になってるだろうが

「三国志58巻」より

だいたい、魏延に花を愛でる気持ちなんかどだい無理な要求である
こいつは一体魏延に何を望んでいたのか・・・
その愛でる気持ちが無いヤツは悪いヤツという安直な判断されたが為に魏延は祁山で
司馬懿を消すついでに一緒に爆死させられかけて大激怒
あわや殺されかけたというどころの話ではなく 完全に魏延はロックオンされていたのである
諸葛亮を問いただすが あろうことか彼は自分は全然悪く無い、悪いのは全部馬岱だ と口走り責任逃れを始める始末
これにより、魏延の諸葛亮への嫌疑感は殺意へと変貌を遂げ 諸葛亮が五丈原で没っする直前に復讐を果たそうとする

寿命間近の諸葛亮が延命の祈祷を行うのだが 当然そんなことはさせまいと魏延登場
あからさまにロウソクを消しては 完全な反逆者となってしまうので 諸葛亮もビックリの秘策で挑む魏延



「三国志59巻」より

まずはフェイントの1段目がヒット
ここで相手のガードを崩す


ゲージは既にMAX!! 恨みパワー全てを左足1本に投入
「三国志59巻」より

この一瞬に全てを賭けるっ!!!
ここで大本命の2段目をヒット!
渾身の2Hitコンボッ!!
さりげなく 左足でコツッとロウソクを倒すのがポイント
あくまでも 大袈裟で無く 「しまった感」が伝わるように・・・

長年諸葛亮の元で働いていただけの事はある、大変な策士振りを披露してくれた
これにはさすがの諸葛亮も予見できなかったことであろう
満願成就 散々彼をコケにしてきた諸葛亮はここに命運尽き 魏延は一安心し暗殺の恐怖から開放されるのであるのだが

その開放感からか グッスリ眠り夢を見るのだが・・・


大のいいおっさんが 何を相談するかと思えば・・・
「三国志59巻」より

思いっきり気が抜けてるとしか言い様が無い
もしも、オイラがこんな夢を見ても 恥ずかしくて人に相談出来たものでは無いのにそれを簡単にやってのける・・・
そこにシビれる、憧れる

さて、諸葛亮の後任の楊儀にも諸葛亮の意思が引き継がれているのか
魏延排他運動が活発に行われ 五丈原にほったらかしを食らったり
成都へは裏切り者という 怪情報まで勝手に流され とうとうならず者同然の扱いになってしまい路頭に迷う
人間落ち目の時は他人の意見を聞き藁にもすがる気持ちになりやすいもの
このタイミングで馬岱から「蜀を乗っ取ろう」と持ちかけられ なんの疑いも無く話しに乗ってしまう
全て 生前の諸葛亮と馬岱で しめしあっていたシナリオとは知らずに・・・

蜀へ進軍中に 楊儀、姜維軍に行く手を阻まれ
「わしを殺せるものがあるか」と3度叫べれば 城を渡すと言われ 自信満面に まずは1回目を叫ぶ


どこの世界に こんなセリフ3回で城をくれるバカがいるというのか・・・
「三国志59巻」より

「ここにいるぞ!」って完全に 卑怯なバックアタックじゃねぇか
普段なら 馬岱に遅れを取る事は無いが 背後からの不意打ちでは防ぎようが無く
憐れ魏延は ここに命を落とすこととなり 後世には
呂布・孟達らの裏切りの不忠者と肩を並べる扱いになってしまうのである。

思えば、1枚目の絵にあるように 韓玄を斬った時の魏延のセリフ
「もはや お前の命運は尽きたのよ」というのは 韓玄だけでなく同時に自身にも当てはまる言葉であった。